小論文の書き方

相手の抱えている問題点を理解

指導する際にまず必要なことは、相手の抱えている問題点を理解することです。当初はこの点がとても難しく感じました。いわゆる「てにをは」などの文章の乱れや表記の問題は簡単に指摘できますが、論文の内容自体に関しては何が問題なのかわかりませんでした。

 

論文を何度も読み返し指導を続けるうちに、論述の展開に飛躍があったり、説明不足の部分であったりという点も見えてくるようになりました。当初は論述に対して『理解しよう』と思って読んでいましたが、徐々に『テーマについて知識のない人にも正しく理解できる文章か』という点に注意して読むようになってきたのだと感じています。

 

そして、その解決策を、相手にわかりやすく説明することが必要です。どのような伝え方をすると相手の理解が得られるのかを考えなくてはなりません。そのためには、相手がどれだけのことを理解できるのかを見極める必要があります。同じ問題を抱えた相手でも、理解度の深さに違いがあれば、同じ伝え方をしてもうまく伝わらないことがあるということです。

 

著者 ひねもす

 

 

小論文指導の難しさ関連記事

自身の知識を再確認
普段、ひとりで小論文の添削をしたり講義をしたりすると、だんだんと自分の考えが指導の中に強く反映してくることがあると感じます。
論述の2つの作業
添削の作業をしているとたくさんの論文に出会います。その中で、一見すると稚拙な文章に見えるものでも、よく読んでみると立論の背景や課題に対する考え方の方向性が、あたえられたテーマに沿って深く吟味されていて驚かされることがあります。
指導者の喜び
多くの文章を読んで「申し分ない」と感じられる文章にはなかなか出会うことはありません.しかし、逆に考えれば「○○の点について、今後は××といったことに注意していけば」とアドバイスできることは、その文章を書いた人が一段階成長できるチャンスであり、今後の成長が十分期待できるということです.
小論文指導の難しさ
小論文を指導するということはとても難しいことです。自分では理解でき、作業ができたとしても、それを相手に伝えて理解を得ることはまた別物です。論文の指導に関わらず、多くの講師の方々が直面する課題といえるのではないでしょうか。
人と人とのコミュニケーション
たとえば、論文を読んで、ある程度の論理的な説明ができている場合であれば、考え方の方向性や、より伝わりやすい表現にするために注意する点を指摘して改善方法を示すことで理解が得られる場合が多くなります。
指導のスタンス
 先日、パソコン教室でシニア向けの指導をされている先生に、指導について注意するべき点についてお話を伺う機会がありました。
負うた子に教えられて浅瀬を渡る
子供は小さいころ「○○しようね」とか「××は、いけないことよ」などと言うと素直に聞いてくれます.それがいつのころからか「イヤ!」と反発したり「△△って、なに?」と尋ねます.自分でいざ説明しようとすると言葉につまるものです.