小論文の書き方と指導のスタンス

手段を示す

 その教室の授業は、パソコンの初心者の方に対してテキストに基づいて授業を進め、Wordを使ってポストカードなどの作品を仕上げるというものです。

 

授業を進める上での基本はテキストなのですが、時にはその内容と異なる説明をすることもあるとか。

 

その理由は「目的はテキストの内容どおりに作品を仕上げることではない。生徒一人ひとりが自分の力で、作りたいものを作れるようになることが目標。生徒の理解度を講師が把握し、テキストの説明では理解しにくいと判断すれば変更もありうる。そのためには、使用する機能の操作方法や、使用した場合の利点・問題点などについて、講師が十分理解していることが重要」というものでした。

 

 まさに小論文の世界にもあてはまることだと感じました。論文指導においての目標は、学習者が自分の意見で論文を書くことができるようになることであり、与えられた課題に対しての答えのみを示すものではありません。意見を順序良くまとめて表現するための手段を示すことが重要です。

 

 内容は違っても、指導をするというスタンスは同じであると感じました。

 

著者 ひねもす

 

 

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