少子高齢化社会を考察する

課題に取り組む前に

小論文というものは、課題に対してどれだけ考えて、自分なりの意見(主張)を述べることが出来たかが、重要な採点基準となります。

 

試験本番で、まったく知識のない分野の課題が出たとき、自分で疑問を導き出し考える力がついていれば、あわてないですみますね。

 

ですから、外部から得た知識にたよって、一般論や抽象論でうまくまとめ上げてしまうのではなく、知識はあくまでも参考にしながらも、自分ならどう考えるか、どこかに疑問点はないだろうか、と必ず自問自答を行うように心がけましょう。 そのためには分析メモを書く習慣をつけましょう。

 

もちろん、課題に取り組むために、資料をよく調べる必要はあります。知識を得ようと努力することはとても良いことではあります。

受験生が陥りやすい間違い

そこではしばしば、 少子高齢化社会についての知識、情報を書き出し整理することが分析の中心となりがちです。

 

そうするとあなたがこれらの点についてどう考えているのかが、十分引き出せないままで終わってしまう可能性があります。あなたが多量の知識をもっているのでしたら、そこから自分自身の生活と照らし合わせて考えを進めてみまることが大切です。

 

もし、現在の状況の社会のままであなたが高齢者になった時、

 

何が不安ですか? 

 

どういう生活だったら安心できると思いますか? 

 

書いてある内容を十分に理解し読込んだうえで自分だったらどう思うか、どう考えるか、何を望むか、という現実的な視点から社会全体を見つめ、分析を進めていくと、さらに深く身近な問題として捉えることが出来ると思います。

考察の具体例

少子高齢化社会についての考えを深めるためには具体的な方法を考えてみましょう。

 

福祉制度や医療の充実を進めていくためにかかる費用は、どこから出されるべきだと考えますか? 

 

誰が負担しますか? 

 

労働者の税金負担が増加して、現在でさえ経済活動に支障が出てしまっているわけですから、解決策としては疑問が残ってしまいますね。

 

では、どうすれば良いでしょう。そこで、負担の少ない制度改革について考えてみるとどうでしょうか? 

 

また、高齢者が積極的に社会参加できるようにするには、どうすれば良いと思いますか?

 

 あるいは、老人を労働人口に取り込めるような雇用制度はどんなものか、そのとき何か問題点はないか、とさまざまな視点で考えを深めてみましょう。

 

そうすることで、新たな気づきが見つかり、最終的に、自分自身で考えた結論を見つけ出すことが出来るようになります。

 

具体的な対応策としてただ結婚を早くすれば出生率が上がるわけではないはず。もう少し視野を広げて考えてみることも大切です。

 

女性が働いて経済的に自立することは、はたして経済活動の低下につながるでしょうか? 個人のライフスタイルの変化、教育費の負担増加や、育児休暇などの社会制度が、晩婚化とどのように関わりあっているのか、さらに少子高齢化社会の問題へどのように繋がっていくのかを、あなたなりに探ってみましょう。

 

少子高齢化社会を詳説エントリー一覧

【高齢化社会】
高齢化社会となっている現在の問題がどういうところにあるのかを、あなたの目を通して述べられるとよいでしょう。例えば、「高齢者を十分に受け入れるシステムができていない」という問題点をとりあげ、それがどういったものなのかを具体的に示していくほうが論述に深まりがでてきます。 「高齢者を十分に受け入れるシステムができていない」とあなたが述べるのであれば、どのような点ができていないと感じていますか。また「娯楽や風俗は若者中心となり、高齢者が楽しめる環境、施設が十分ではない」と主張するのであれば、どのような点...
誰にも負担のかからない社会を目指す
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等身大の高校生の視点
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高齢者の立場を想定
 高齢化社会・高齢社会について丁寧に定義を考えて下さい。では、その背景についてもう少し詳しく考えてみましょう。たとえば、以前より高齢社会の問題が取りざたされ続けていても、少子化はなぜとどまらないのでしょうか。現在出産可能な女性が子供を多く産まない理由を考えてみてください。その際、あなたの将来について考慮してみるといいでしょう。もし、あなたが女性であれば将来子供をたくさん産みたいですか。その理由は何でしょうか? このように自分自身の立場から高齢社会に至った背景について分析を深めてみてください。 ま...
高齢出産と長寿の関係
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持論の根拠
あなたの主張を補強する材料をもっと追求しなければなりませんね。あなたの身近に、高齢者を抱えている家族はいませんか。あなたの祖父母はどうされていますか。まず、具体的に現実を見つめて、あなたの主張の基になる根拠を確認してみることが欠かせません。身近な体験例があればそれだけ説得力もあります。周りの状況を把握せずにたとえば「若者と高齢者が楽しく生きていけるように」と述べても、無責任とも机上の空論ともなります。あなたが若者の一員として、小さくても行動を起こせる事はないかと自身に問うくらい、責任ある視点で述...
限界集落と少子高齢化
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分析メモの書き方
望ましい高齢化社会についての考察例を紹介しましょう。以下は具体的な分析メモの一つの例です。 a.「人生の先輩」として高齢者が敬われる確かにお年寄りは、我々にはない多くの経験と知識を持っています。それらを若い世代に引き継いでもらえるのなら、お年寄りは張り合いを感じてもらえると思います。それではなぜ、若い世代はお年寄りから学ぼうとしないのでしょうか? b.バリアフリー化が更に進み、高齢者が外出しやすくなる急な階段や、人通りが多く休む場もないところへの外出はお年寄りに安心して外出してもらえないでしょう...