等身大の高校生の視点

高齢化社会を論じるための2つの質問

高齢化社会を論述するためのヒントとして次に2つの質問を準備しました。

 

問1 高齢化社会という現実ゆえに、あなた自身が困ったことを挙げることができますか?

 

おそらくないと思います。「あなた自身」が若いのですからね。少なくとも実感としては無いはずなのです。では、現に年配の方々はどうでしょうか? 自分自身が「高齢」であることから様々な「問題」を感じるかもしれませんが、それは飽くまでも自分自身に関する事柄です。

 

そこであなたのご両親の立場を見てみるとどうでしょう。祖父母の面倒をどのようにされていますか? 今現在、お元気なら良いのですが、介護の必要が出てきた場合、ご両親の負担はどのようになるかを想像してみてください。

 

どんな問題が起こるでしょうか? あるいはご近所に一人暮らしの高齢者がいらっしゃるのなら、その生活で大変だなあと感じる様子はどんなことですか? 他にも身の回りや通学途中 でも、様々な生活場面で考える材料はあると思います。そこを切り口として、もしこのままの状態で自分が高齢者になった時、どう感じるのか、そしてどうあって欲しいのかを考えてみてはいかがでしょう。

 

 「高齢化社会を考える」とは非常に難しいものだと思いますね。しかし、大切なのは「自分にとって好ましい高齢化社会の姿」ですから、現状に気を遣って遠慮する必要は無いのです。平たく言って、次の問いに集約できます。

 

 問2 あなたはどんな老後を過ごしたいか、そのためには社会がどうあって欲しいか?

 

 この問いならもっと「自分としての」論述ができるのではないでしょうか。このように課題を「近似的な別の言葉で表現し直して考え易くする」のもひとつの方法です。勿論、要点を外してはなりません、言い換えるにしても限りなく近似的であるべきです。

 

 それでは、問2を念頭に置いてアウトラインを作成してみるのはいかがでしょう? 元のアウトラインを活かすのもよいでしょう。きっと焦点が絞られた感じがすることでしょう。もし時間が許さなければ、この発想を次の課題に生かして頂ければ、幸いです。

あなたはどんな高齢者になりたいですか。

 高齢化社会を考えることには「医療技術の発達とは何なのか」、「社会福祉制度の見直し(年金制度も含めて)」、「生涯学習とは」、「高齢者の労働参加」、「世代間交流の改善」等、非常に重要な論点がたくさん関わってきます。

 

「長く生きる、とは果たして幸福なのか」といった倫理的な問題に発展させることもできます。これらは誰もが安易に答えられない問題を含んでいますね。「安易に答えられない」というのは、ひとつには一般論がけん制してくるからでもあります。

 

しかし、実は、停滞した現状を打破する新たな発想というのは、比較的自由に論述するところから生じるものであると私は考えています。

 

高齢化社会の問題に対し、使い古された一般論でもって真顔で取り組んでも、明るい話は何もありません。高校生が年配の政治家達と同じ考えである必要はありませんし、現実問題無理な話です。

 

現実論と比べて多少楽観的になったとしても、それはそれでいいではありませんか。

 

 現代の若者が「自分はどのような年寄りになりたいのか」、そんな風に言い換えることができるかもしれません。

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