小論文テーマ「高齢化社会」を考察

「高齢化社会の問題点」を論述するヒント

高齢化社会となっている現在の問題がどういうところにあるのかを、あなたの目を通して述べられるとよいでしょう。

 

例えば、「高齢者を十分に受け入れるシステムができていない」という問題点をとりあげ、それがどういったものなのかを具体的に示していくほうが論述に深まりがでてきます。

 

 「高齢者を十分に受け入れるシステムができていない」とあなたが述べるのであれば、どのような点ができていないと感じていますか。また「娯楽や風俗は若者中心となり、高齢者が楽しめる環境、施設が十分ではない」と主張するのであれば、どのような点が十分ではないのでしょうか。

 

たとえば、ボーリングやハイキングを楽しんでいる高齢者もたくさんいます。町の施設で将棋や囲碁を楽しんでいる方もいます。どういった点で不足していると思いますか。例えば飲食店に高齢者が好む食べ物が少ないとか、温泉なども手すりをつけたり、滑り止めマットを置いたりする配慮が少ない、とかもう一歩踏み込む必要があります。

 

自分自身の将来を考えてみる

さらに将来の予測についてですが、あなたが「高齢者の自立心を尊重すること、それができる社会が私の理想の社会だ」とまとめることができます。

 

この点に関してもどのような点についての、自立心を尊重することなのでしょうか。もう少し具体的に示してください。例えば、高齢者でも元気な方は働けるように就業の斡旋をおこなうのか、または住環境を改善すべきなのか、どういった点にあなた自身が関心を持っているのかを踏まえてまとめるとよいでしょう。

 

このテーマで重要なポイントは、自分自身の将来を考えてみることです。つまり、あなたもいつかは年を取り、高齢者の一人となっていくという事実です。

さまざまな疑問を出す

そもそも、未解決の社会問題に対して、自分なりの解決方法を考え出すのは難しいことですね。

 

しかし、自分自身を当事者として考えてみることは、小論文を書くための大きなコツだといえます。「もし、自分だったら?」という視点から、自問自答を繰り返していけば、単なる抽象論に終わらない、より現実的な発想が生まれてくるはずです。

 

自分はこういう老後生活を送りたいと思う、といった結論でもいいのです。具体的で、現実に即した結論には意義があります。そこから、そのような生活を送れるようにするためには、今の自分がどうすれば良いのか、と論展開させてみると、説得力のある論述になると思います。

 

重要なポイントは自問自答で書き出した自分の考えを、もう少し詳しく吟味することが大切。書き出したメモの中を見直して、現状分析ではない部分(自分の考えが出ている箇所)をもう少し具体的に自問自答してみるのです。

 

たとえば、「正しい理解とはどういうことなのか?」「若者と高齢者の間で、意思の疎通は出来るのだろうか?」「お互いに触れ合う機会を増やせばよいのか?」「高齢者の自立とは?」「社会的弱者という意識を変えることはできるのか?」「金銭的な面はどうするのか?」「健康面では?」など、さまざまな疑問を出してみてください。

要点をまとめる

そうすると自分の意見がより具体的に見えてきますね。

 

次に、その自分の考えをわかりやすく説明するためにはどの意見を選択すれば良いのか、を考えながら論述の流れを考えていきます。その時、あれもこれもと選んでいると字数が足りなくなりますので、要点をまとめることが大切です。

 

そうして出来上がったアウトライン通りに書き始めると、構成が変わってしまうことはなくなりますね。少し自問自答の方法を工夫することも必要です。

【高齢化社会】 関連記事

【高齢化社会】
高齢化社会となっている現在の問題がどういうところにあるのかを、あなたの目を通して述べられるとよいでしょう。
誰にも負担のかからない社会を目指す
「子どもにも高齢者にも負担のかからない社会を構築していく」ための具体的な方策について考えてみてください。そうすることで、あなたの主張により説得力が増すと思います。
等身大の高校生の視点
 自分の人生設計に引き付けて、「等身大の高校生の視点から」論じることが可能です。勿論、将来を踏まえるのにある程度の現状把握は必要ですが、やはりここで必要以上に社会の現状に関して一般論的に述べるより、有用な論点を掘り下げる方向で考慮を進めましょう。
高齢者の立場を想定
高齢者の立場を想定して、望ましい高齢化社会について考察をすることが大切です。また、高齢者の立場だけでなく、現在や近い将来のあなた自身の立場から高齢化社会の問題について考察を深める必要もあります。
高齢出産と長寿の関係
まず、高齢で出産した人の子育て期間が終了するのが遅くなるという事実について、もう少し詳しく考えてみましょう。「守ってあげなければならない存在」である子供がいることによって気持ちに張りができるということは、ある面では納得できる説明だと思います。
持論の根拠
たとえば「高齢者の本心は、絶対家にいたいはずだ」と断言して主張するとしましょう。ではその確信の根拠は何でしょう。根拠もなく強固に持論を進めると読み手に反発を招くだけです。
少子高齢化問題
少子高齢化社会という、巷でもよく取り扱われるテーマなので、書くことには困らないのではないでしょうか。でも、ありきたりなテーマだからこそ、一般論の域を出ない、標準的な回答になってしまうおそれがあります。
分析メモの書き方
書きたいことはたくさんあるが、指定字数の枠内に入らない。そんな時は情報の整理が必要です。あなたの考える望ましい高齢化社会として分析メモにはいろんなことがあげられているはずです。これらをさらに自問自答して根本的な問題にまで掘り下げてみることです。