高齢者の立場を想定

丁寧な定義

 高齢化社会・高齢社会について丁寧に定義を考えて下さい。では、その背景についてもう少し詳しく考えてみましょう。

 

たとえば、以前より高齢社会の問題が取りざたされ続けていても、少子化はなぜとどまらないのでしょうか。現在出産可能な女性が子供を多く産まない理由を考えてみてください。その際、あなたの将来について考慮してみるといいでしょう。

 

もし、あなたが女性であれば将来子供をたくさん産みたいですか。その理由は何でしょうか? このように自分自身の立場から高齢社会に至った背景について分析を深めてみてください。

 

 また、若者世代にとっての高齢化社会の具体的な問題点とは何でしょう。

 

生産人口の減少による高齢者の年金受給額の減少が指摘されていますが、同時に現役世代や若年層が高齢者を支えるための負担が重くなることも考えられます。

 

高齢者が趣味を楽しむ経済的余裕の必要性について述べられていますが、高齢者の生活を支えるために、あなたが自分自身の趣味を犠牲にしなければならないとすればどう思いますか? 

 

また、最近では将来自分が年金受給者になった時に年金がもらえるのかと心配する若者も多いですね。あなたはそんな心配はしていませんか? 高齢者の立場からだけでなく、現在のあなた自身の立場から分析することで、社会保障の問題について考えを深めてみてください。

在宅介護のための人材不足

 そして、在宅介護のための人材不足も高齢化社会が抱える問題の一つですね。では、ホームヘルパーなどの専門職の不足がさらにどんな問題をもたらすのか、もう少し詳しく考えてみましょう。

 

在宅で介護を必要としている高齢者が一人暮らしをしているとは限りません。家族の誰かによって介護されている高齢者も多くいます。そうすると、専門職の不足による、介護している家族への負担について考える必要もありそうですね。その際、現在では主に誰が介護をしているのか、介護が必要な人がいることによる他の家族への影響など、在宅介護の現状についての深い分析も必要だと思います。

 

あなたやあなたのご家族が誰かを自宅で介護しなければならない場合を想像してみるといいかもしれませんね。

 

 高齢者の立場を想定して高齢社会の問題について考えることができる必要があります。たとえば、「高齢化社会」と世間で言われていても、身近に高齢者がいないと、なかなか現状を実感できないと思います。そうなると、若者が高齢化社会の抱える問題を「自分自身の問題」として考えることは難しいかもしれないですね。

 

また、高齢化社会と言われるほど、高齢者が多くいるというのに、若年層が高齢者と接する機会が少ないのはなぜでしょうか。このように若年層が高齢者と接する機会が少ないことの原因や問題点について深く追求してみてはいかがでしょうか。

「高齢化社会」の問題は身近なテーマ

 上記の分析を踏まえて、望ましい高齢化社会のための具体的な方策について考えてみましょう。

 

高齢者には働けない分の生活費が必要だとありますが、その財源はどこに求めれば良いでしょうか。現役世代や若年層の負担を増やすことなく、高齢者も満足した生活を送るためにはどうすれば良いでしょう? 年金に頼るのではなく、全く別の社会制度が必要かもしれませんね。だとすれば、有効な社会制度について考えてみるのもいいですね。

 

また、高齢者が自立した生活を送るためには何が必要でしょうか。65歳以上といえども元気な高齢者は多くいますから、現在のあなたが高齢者に何をしてもらいたいかを考えれば、彼らが働く機会を提供する可能性も見えてくるかもしれないですね。

 

「高齢化社会」の問題は、一見若い世代からは縁遠いようですが、あなた自身の立場で考えると、身近な問題であることが分かりますね。

 

このような縁遠そうな問題でも、自分の立場で考えることは、価値ある主張を導き出す上で非常に重要な作業です。課題の分析の際には、あまり大仰に考えず、自分の立場から自由に考えを出してみるといいと思います。

 

その上で、一般的な考えや知識と検討してみたり、新しい疑問を発してみたりして、自問自答を楽しんで進めていくように意識してみてはいかがでしょうか。難しい作業ですが、そこからあなたなりに納得できる結論を導き出すことができると思います。

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