「ボランティア活動」を論述するヒント
しかし、多くのボランティア活動参加者は、その定義について深く考えているでしょうか。あなた自身はいかがでしたか。また、ボランティアに対して日本人が持つイメージについても考えてみてください。ボランティア活動は評価されるべき行動とされる反面、偽善的行為や面倒なものと考える人も多いのではないしょうか。このように日本人の「ボランティア観」を探ることで、日本のボランティア活動の現状を詳しく説明することができると思います。
男性のボランティア活動参加率が60代以上で女性のそれに逆転している点から60歳以下の男性は仕事が忙しいためにボランティア活動をする余裕がないと考えていますか。
確かに時間的・精神的余裕のなさはボランティア活動に参加しない理由の一つとして考えられるでしょう。しかし、働き盛りである30〜40代男性の参加率が60代よりも高いことや、家事などのかたわらに仕事をしている人の参加率が最も高いことにも注目してください。
あなた自身のボランティア参加経験を分析
そうすると、果たして余裕の有無がボランティア活動への参加に影響を及ぼしているといえるのかという疑問が出てくると思います。若い世代のボランティア参加率が低い原因も、余裕のなさにあると考えていますね。
そこで、あなた自身のボランティア参加経験を分析することで、余裕のなさとボランティア活動への参加率についてもう一度詳しく考えてみてはいかがでしょうか。学業で忙しい中、あえてボランティア活動に参加した理由やそのきっかけ、また、どんな場面で何を犠牲にしてきたのかなど、あなた自身の経験を振り返り、それぞれの行動について詳しく分析してみてください。
より多くの人がボランティア活動に参加するための効果的な対策を検討してみましょう。地域でのボランティア活動という形態が多いことは、地域での関わりが薄くなったといわれる現在においては喜ばしいことですね。
そこから「ボランティア活動を特別視する傾向を変えるには身近な地域での活動が望ましい」と主張することもできます。関わりの薄い地域を「身近」と思えるかという視点で考えると、また違った答えを見つけることができると思います。
心理的側面と物理的側面からの分析
また、関わりの薄い地域での活動が多くを占めていることが、ボランティア参加率がアメリカほど高くない原因かもしれませんね。特に地域活動の場合に考慮しなくてはいけない点は、円満な「近所付き合い」を維持するために、半強制的に活動への参加を要求される可能性もある、というところです。
ボランティア活動が「他人のための活動」であるはずが、自分自身の保身のために行う行為になってしまっては意味がありません。そうすると、地域に関わらず、もっと親しい友人同士や家族の単位での自主的なボランティア活動の機会を増やせないかという方向で解決策を探る可能性も見えてきますね。
ボランティアに対するイメージなどの心理的側面、時間的余裕や活動の場などの物理的側面から、日本のボランティア活動の現状を詳しく分析した上で、より多くの人がボランティア活動に参加するにはどうすればよいか、時間が許す限り、あなたが納得できる解決策を探ってみると良いと思います。
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