課題文の読み取り

読み手を意識した書き方

 あなたの作成した小論文を読んでいる方は、さっと読み流したのでは言いたいことが分かり難い感じを与えるときがあります。ということは、このまま人に話そうとすると、聞き手はおそらく分かり難いところを聞き返してくるはずですね。そういうことを少なくするために、普通、私たちは、人に話しをするときに少しでも分かってもらえるように話しの流れや説明の詳しさや具体性、まとめの部分などを工夫して話しますね。きっと普段、友達や家族に話しかけるときは、もっと分かりやすく話すことが出来るのだろうと思います。

 

 ですから、分析メモやアウトラインを作るときも、誰か顔を思い浮かべることが出来る相手を想定して、その人に話しかけるつもりで流れや説明の仕方を工夫して作りましょう。形を<論文の形式>にまとめようとか、見た目を整理しようとか考える必要は全くありません。一番大事な、テーマに対して言いたいことを見つけることが出来ているんですから、あせらずに『言いたいことが見つかったから、さて、説明してやろうかな』くらいの軽快な気持ちでやってみて大丈夫ですよ。リラックスして着実に作業を進めるように意識するといいですね。

 

 自分の感じたこと、自分はどう思うか、自分はこういう経験がある、自分ならこのようにした、と自分が主役で述べなければ、意見を主張する論文ではありません。標語のようなあたかも正しい意見を振りかざす必要はありません。ささやかでも自分の経験から、謙虚に意見を述べることが大切です。たとえば「世界平和のために人々は協力しなければならない」というより、「鳩のつがいが庭に来て、それをながめていたら、ほっとした。だれもがこんな気持ちになれる環境があれば、平和になるのでは」と言う方が、読み手に、自分もこれに似たほっとするものがあると思いめぐらせたり、これならできそうと思わせたりできるのはないでしょうか。

 

 課題文で聞かれていることを正確に把握して、それについて自分の考えを述べるよう努力する、そのためには、課題を何度も読み、分析メモやアウトラインシートに、自問自答を全て吐露し、自分にしか思いつかない、自分だから言える意見を理由を示しながら訴えてみて下さい。

 

 

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