小論文に説得力のある主張を込める

論述に説得力を持たせるコツ

 自問自答の方法がある程度分かれば、次は実際に問題に挑戦してみたいと考えるものですが、考える方法が分かったからといって、必ずしもあなたの主張や意見が賞賛されるとは限りません。むしろ、考えて主張した意見に反論されたり批判されたりすることもあり得ます。そのときに、自論に自信を持って主張できるようになるためには、一体何が必要なのでしょうか。

 

 自信を持って主張する?

 

 一見正しい疑問のように見えますが、本当にそうでしょうか?

 

 実は、違います。

 

 「自論に自信が無い」と悩んでいるとき、人は往々にして説得力のある論述を行なうテクニックを知ろうとします。しかし、問題は、自信をもって主張できるかどうかは、この論述の本来の目的とは異なります。

 

 論述の本来の目的は、出題者の意図する論述の課題への解答作成です。

 

 ですから、ここで自信が無いというのは、課題の資料が十分に理解できないなどのためにか、課題の理解にもとづいて解答を導く過程に不安があるということです。

 

 ということは、自論に自信が無い場合、主張するに足る資料の深い理解に達するまでの努力が必要ですし、解答を導くまでのプロセスに不安を呼ぶ要素を抱えることがないように、丁寧に、ありのままにアプローチしていくしかありません。

 

 自問自答は、本来、自分の頭に浮かぶ疑問を言葉として有効な形にして自分の力で自分に向けて発する問いからとりかかるものです。それだけに、自分の中で生じる思考のプロセスに自信がもてるまで、丁寧に自問自答を具体的に進めることが肝要だと考えます。

 

 逆に、自信の無い主張でも論理的で内容が分かりやすければ、主張として説得力があるものとして評価されることもあるということになりますが、実際には、だれもに納得してもらえる説得的な主張が偶然にも組み立てられたというのでは意味が無いことですし、それは通常、在り得ないことなのです。

 

 

説得力を持つ主張 関連記事

小論文作成の作業工程
小論文の論述を開始する際には分析メモに基づいてアウトラインに従い丁寧にそれを文章化しましょう。
自問自答の方法
考えるという行為はあるものを対象にしてあなた自ら色々な問いを出しそれについて答えるすなわち自問自答を繰り返して最終的な答えを導くことです。
作業工程の詳細T
小論文を書く(作業工程)の詳細を順を追って説明しましょう。
作業工程の詳細U
小論文の作成手順(作業工程の詳細)を順番にご紹介しています
作業工程の詳細V
小論文の書き方(作業工程)の詳細を順を追って紹介しています
問題の傾向性とアプローチ
小論文の問題にもいろいろな傾向性があります。国語力や英語力を試す設問を含む場合や、専門的な知識がなければ書けないものもありますし、知識では決して書けないものもあります。
小論文試験の特徴
小論文試験は従来の基礎教科では図ることのできない<総合的な判断力><論理的処理能力><性格や価値観>を知るための試験です。
曖昧な問いへの対応
入学試験の小論文によく見られる「〜についてあなたの意見を述べなさい」という曖昧な問いにはどのように対応すればよいのでしょうか。結論から言えば曖昧な問いは具体的な問いにすれば答えられるのです。
説得力を持つ主張
小論文では自論を説得力を持つ意見として表現する必要があります。では説得力を持つ主張はどうすれば可能なのでしょうか。
小論文を論述する際の注意すべき点
小論文を書く際には、読み手に疑問や分かりにくさを感じさせないような記述を心がけてください。
情報の整理
論述したいことはたくさんあるが指定字数の枠内に入らない。そんな時は情報の整理が必要です。あなたの考えをアウトラインシートにいろんなことを書きあげてみましょう。
ボトムアップとトップダウン
論述の中で意見をまとめるのが難しい場合もあります。そうしたとき、無理やり意見をまとめようとするのではなく、はじめに主張ありきというやり方もあります。
あなたなりの構成
まず第一に分析メモの段階で、可能な限り多岐に渡る項目を提出し、論述への可能性を高めることを目標とします。それができるようになったら、そこから次の段階、論述へ移る前のアウトライン作成の段階について考慮してみましょう。
設問の意図
設問の意図を正確に読み取ることはとても重要です。また、問題点をみつけだす切り口はあなたの身の回りにきっとあるはずです。
何を書くか悩むとき
小論文を論述しようとする際「何を書いたら良いのかかなりなやむ」ことがあります。それは見方が課題文と同じだからです。
アウトライン作り
小論文は、筆者が問題点を考察した結果を表現するものです。また、読み手が存在するものですから、その読み手に説得力のある理解しやすいものである必要があります。
分析メモ
小論文を書く上で基礎となる分析メモに書き方について説明します。
課題文の読み取り
小論文入試の課題文は、問題提起のための一意見で、どんなに偉い人が書いていても全てが正しいとは限りません。まずは、その課題文が指摘する問題点は何か、それに関して自分はどう思うかということに集中することが重要です。
解決策を見つける
小論文の作成手順のまずはじめは与えられた課題ついての問題点を多く挙げることです。そこから、設問に従って作業をおこなっていきます。一つ一つの作業を丁寧に行うことで、漠然と感じていた問題点を人に説明できるレベルまで整理できることを確認できるようになります。