小論文とは価値ある情報を他者に知らせること
例えば、電化製品の取扱説明書とか料理のレシピ本はとてもよくできた論文といえるでしょう。「○○を××すれば△△になります」というように、関係性がはっきりしていて、誰にでも分かるように説明してあるので、受け取る相手によって理解に差が出ることがないからです。テレビの配線をしていて回線がショートしてしまったり、肉じゃがを作ろうとしてカレーが出来てしまったりしたら困りますよね。また、ラブレターにも論文的な要素がかなりあるといえます。なんとかして自分の気持ちを相手に伝えたいわけですから、課題風に言えば「私があなたに愛情を感じるに至ったことについての見解を述べる」といったところでしょうか。
入試小論文の作成について言えば、伝える相手は出題者です。自分(解答者)は、説明を求められているテーマについて、相手にとって価値のある情報を提供しなければなりません。自分には価値のある情報に思えても、それが相手の基準と同じでなければ意味がありません。
ここで2つの要素が見えてきます。それは、@相手にとって価値がある情報を準備すること。相手にとって何が価値ある情報なのか分析・検討し、何を書くかを決めます。準備ができなければ伝えられませんよね。そしてAわかりやすく文章化することです。
筋道を立てて伝わればいいのですから、起承転結だのなんだのといった体裁は無視してかまいません。いくらやろうと思っても、まず書けませんから。
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- 問題についやす時間が制限時間に比べて短いと感じるときがあります。時間が短いと感じるのはそれだけよく考えようと真摯に取り組んでいるのです。
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- 言葉はどんな場面で、どのような使われ方をしているでしょうか。言葉は伝達の手段としてだけではなく、物事を考えたり、人とコミュニケーションをとったりするときにも使われます。