言葉の変化と日本語の美しさ
ただし、提出文書でこの表現を使用していると、まちがいと指摘されます。昭和初期に書かれた文章を読んでいると、「今はこんな風には書かない」と感じる表現を目にすることもあります。
こうして考えていくと、言葉や表現の方法は時代と共に少しずつ変化していることに気づきます。今現在、間違いとして指摘している表現も、時代と共に一般的な表現として変化していく場合もあるでしょう。その変化に対して論文の指導者がとるべき態度は、「今はこのように使われているが、本来の表現・意味はこうなのだ」と伝え続けることだと考えています。
本来の意味を知ることなしでは、新しい表現の効果や、その良さも理解することは出来ないと思います。本来の意味を知った上で新しい表現を使うことを選ぶのであれば、これは言葉の進化と言えますが、そうでなければ、本来の日本語の美しさが失われていってしまいます。
答案を読みながら、学生たちはどこまで理解しているのだろうか、と不安を感じることもあり、どこまで指導するべきなのか、と考え込むこともしばしばです。
著者 ひねもす
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